食品加工では加熱や冷却を行う工程が含まれていることがほとんどです。
これは食中毒を予防するため行われるもので、適切な管理が求められます。食品の衛生管理で義務化されるHACCPでは、このような工程を重要管理点として監視することを求めています。加熱や冷却は、10度から60度にならないようにすることが重要になります。この温度帯は細菌の増殖が活発な環境を作り出すため、食中毒のリスクが高まります。できるだけこの範囲にならないことが重要です。
細菌は高温に曝している時間が長ければ長いほど、死滅します。ただし中には芽胞と呼ばれる状態になることで、高温でも死滅せずに残っていられるものもあります。加熱後に温度が低下し、60度を下回ったことから増殖を始め、10度以下になるまでに持続することで、とても危険な状態になることがあります。HACCPでは、加熱工程における温度と時間を設定することととその記録を残すことを求めて言います。
また、冷却時間を少しでも短くするために平たい器に入れて、表面積を大きくして温度の変化が急激になるようにすることを勧めています。HACCPで最も重要なことは、このような工程を明確にして、どのように管理するかを決めることにあります。そして監視して、その記録を残して、後からでも確認できるようにしなければいけません。記録があれば、万が一問題が発生した時でも、被害を最低限に抑えることができるようなります。