食中毒の発生は、飲食店に大きなダメージになります。
一度失った信頼を取り戻すことはとても大変で、再建にはかなりの時間を要します。だからこそ絶対起こさない細心の注意が必要になります。従来から実施している衛生管理では、機材の清掃、手洗いなどを行って細菌の混入するリスクを減らす努力を行い、最終的には抜き取り検査によって、安全性を保証してきました。この方法でも高い確率で食中毒を予防することが可能ですが、まだ改善の余地があります。
それがHACCPと言う考え方です。HACCPはNASAが宇宙食を作る時に採用した管理システムで、重要な管理点を決めた上で全数監視を行い、記録で万が一の時に迅速に原因究明ができる環境を構築できます。監視対象が全数になることで、抜き取り検査よりも高い安全性を確保することが可能です。各国でHACCPを取り入れた管理システムを義務化していて、国際的な基準になりつつあります。
日本でも2020年から義務化されることで飲食業界で大きな話題となっています。より高い安全性を食品に求めるためには、このシステムを導入することが有効だと考えた結果です。また、輸出入を考えた時に国際的にも通用する衛生管理を構築していることは、流通障害を減らすことにもなります。日本の食材が海外に進出するためには、とても重要な通過点となります。導入には時間が必要で、簡単に構築できるものではありません。早めの準備が必要です。